
ヨーロッパの歴史上の人物で伝説化されている、代表的なものはアーサー王の物語です。
アーサー王は、5世紀から6世紀頃のイギリスの伝説的な王です。
実在していた人物ですが、彼に関する伝記的な物語のエピソードの大部分は、後世に創作されて付け加えられたもので、伝説であることは周知のことです。
1136年にウェールズ人のジェフリー・オヴ・モンマスが書いた『ブリテン列王伝』は初めてアーサーの全生涯を詳しく述べていますが、これはすでに著者の空想が多くの部分を占めているとされています。
史実を逸脱した描写が多く、現在はフィクションとされています。
この作品が騎士道物語としてのアーサー王伝説、つまりアーサー王物語の基となりました。
その後、アーサー王物語は中世に騎士道文学の題材として西ヨーロッパ全体で流行し、アーサーは次第に理想のキリスト教的君主として描かれるようになっていきます。
この過程で本来関係ない騎士道物語がアーサー王にむすびつき、それにより彼に従う円卓の騎士の数も増加しました。アーサー王物語はロマン主義の時代にも作品のモチーフとして非常に好まれ、現代でもしばしば映画の題材となっています。
騎士道物語におけるアーサー王 は、「これを引き抜いた者は王となるだろう」と書かれた台座に刺さっていた剣を引き抜き、魔法使いマーリンの助けで名君に成長していきます。そしてキャメロット城を拠点として巨人退治やローマ遠征など様々な冒険を重ねますが、最期は異父姉との不義の子モードレッドとの戦いで深手を負い、ベディヴィアに指示して湖の水面から現れた手に聖剣エクスカリバー=カリバーンを返し、小船で去る。アヴァロンの島へ傷を癒しに行ったという物語です。
実在の人物ではあっても、その物語はほとんど神話といってもいい、架空の物語ではありますが、このアーサー王の伝説上の業績は、現実の騎士道の鑑として後世のヨーロッパでは模範となったのです。
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